方法

身体のケアは,筋や臓器,関節を独立した存在として扱うだけでなく体に耳を傾けます.ゴールは,身体がその限界を受け入れながら(受け入れると同時に),身体の可能性を導き出す治療を提示することです.これらは,Luisi Steccoによって作成された革新的な回復方法である筋膜マニュピレーションの必要条件です.

筋膜マニュピレーションは何を意味するのか?

筋膜マニュピレーションは,結果の治療から原因の治療における治療上の注意に再び目を向けさせます.これは,たとえば臓器の症状を示す場合,臓器のみを検査する伝統的な医学とはかなり異なります.もし特定の骨格筋の領域の症状である場合,離れた場所のみを検査します.(しばしば,その場所に触れることもありません)我々の治療は,システム全体の生理的バランスの重要性を認識し,筋骨格系全体,内臓系全体,および2つのシステムのそれぞれの連結に焦点を当て,システムを正常な生理的バランスに戻すために不均衡の原因を修正します.患者の生活の質を向上させる目的として我々は患者と患者の体からの信号を聞くことに価値を見出し,先入観を持たず多角的にアプローチを行います.しばしば,必要最低限のポイントに絞った治療は,何年も続いている問題を解決するのに十分です.

何が新しいのか?

筋膜マニュピレーションの強みは,運動の導体である筋膜の認知にあります.これは古典的な治療法とは異なります.筋膜は,実際に動きに関与するすべての変数を調整することができる膜ですが,長い間,この役割は認識されていませんでした.神経系は筋肉活動の唯一のコントローラーと考えられていました.運動を導くコントローラーの解析が不十分であったため,臨床診療では疼痛を押さえる薬物(鎮痛剤)で患者の疼痛を乗り越えるということに専念するようになりました.筋膜マニュピレーションは疼痛を受け入れ,機能障害に影響を与える原因をどのように見つけるかを理解するために用いられます.筋膜は,筋骨格系と器官系全体の連結部であり,両方とも解剖学的・生理学的により重要です.これにより,システム全体の生理学的バランスを戻す,グローバルな個別治療を確立し,患者の様々な病状の関連を調べることができます.運動器官と内部器官を分離するという医学的概念は,筋膜マニュピレーションには生理学的に存在しません.

なぜ非薬物学的治療が推奨されるのか?

疼痛は治療の観点から重要なサインであり,治療に役立ちます.疼痛を通して,体の限界について器官が知らせ,身体の健康を保護しています.“痛い”という私たちの身体の叫びを鎮痛剤でカバーすることで,有害な動きは続くでしょう.その結果として関節の協調不良は,関連している関節の傷害のリスクを増加させます.筋膜セラピストは,疼痛を診断の手段として用い,筋膜に基づいた原因を理解し,傷害を予防,筋機能を正常化および疼痛を伴う症状を緩和し,その再発を防ぐために筋膜に働きかけます.

治療はどのように組み立てるのか?

筋膜マニピュレーションの治療アプローチは,疼痛および不均衡を引き起こす要因となる特定の点の存在を確認します.これらのポイントは,“協調中心”と呼ばれます. これらの協調中心は,疼痛部位から離れており,正常(または“生理学的”)な筋膜性の緊張が収束する部位となっています.これらの緊張が非生理的(“高密度化”)になると,疼痛の症状の原因となる可能性があります. そのため,協調中心は筋膜治療の重要なポイントになります.治療は一般的に毎週行われ,以下の手順に従って進められます:

– 情報収集—現在の症状の進行についての確認し,これまでの既往歴について能動的な聴取をします.そして,治療ごとに疼痛症状がどれだけ減少したかについても聴取します.
– 治療計画の仮説—正確な方針で,筋膜セラピストはどこのポイントを治療点とするか,それに伴う治療法を決定します.これを患者に伝え,信頼関係を築きます.
– 運動検証—筋の異常な部位を特定するための整形外科臨床検査です.
– 触診検証—協調中心の中で「高密度化」を特定し,決定します.
– 治療

過敏症の場合,この徒手療法は,最初は局所的に痛みがありますが,最後は緩和されていきます.治療直後には,症状部位の疼痛がかなり減少することが多く,関連する筋力や関節可動域が大抵の場合増加します.数分後,反応性炎症期が始まり,筋膜の正しいリモデリングが増強されます.筋膜システムの再調整の最終目標に必要なこの炎症期は,最大48時間持続する可能性があります.治療回数は,症状の複雑さと患者の治癒能力に基づきます.

筋膜マニピュレーションが緩和できる不均衡は何か?

筋膜マニピュレーションを用いることで,さまざまな種類の不均衡を解決できます.我々は,頭痛,肋間痛,神経根炎,関節痛,モートン神経腫,手根管症候群および腱障害などの運動器系の機能不全に対処します.また,我々は嚥下困難(嚥下障害),胸部の緊張感,頻脈,喘息,胃炎および食道炎,便秘,鼓脹,膀胱炎,膣炎および月経困難症,循環器疾患,浮腫,皮膚炎などその他にも多くの内的機能不全についても対処します.歴史的には徒手療法に関連していない多くの疾患の原因と解決策を探しています.学習については,我々のブログを読んで,このテクニックをさらに詳しく調べることをお勧めします.

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